第伍章/夢幻泡影


Title

Back         Next





 彼女の過去が一つ語られるたび、深紅の刀は空へと還っていき、残ったのは眼前に突き立つ最後の一振りだけ。

『───……一番新しい生の記憶は、十六年前』

 木霊するささやきは、後ろから。

 再び現れた幼女が最後の挿話を詠い始める。

 それは誰にも救いようがなく、誰にも変えることのできない過去の話。

 最も新しい生の記憶は、十六年前。

 呪いにより何十回目かの転生を果たし、生まれ落ちた先は、日本だった。

 都会でも田舎でもない平凡な町。そこで暮らす貧乏な母子家庭。他にこれと言って特徴のない環境に私は生まれた。

 父だった男性は私が生まれてすぐに亡くなった。母だった女性は女手一つで私を育ててくれた。

 夫婦にとって初めて、そして最後の子だった私は、愛されて育った。我が子が奇妙な力を持っていることを知った後も、母のそそぐ愛情が変わることはなかった。

 母娘(おやこ)が二人で住むのは、小さいけれど立派な一軒家。海が近いので、窓を開ければ潮騒(しおさい)が中まで届いてくる。

 その細波(さざなみ)の音に耳を傾けながら、縁側で母に絵本を読んでもらうのは、とても楽しみな時間だった。

「昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。ある日、いつものようにおじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に出かけました」

 耳元に聞こえる母の声。優しい声音はとても安心する。

「どんぶらこ、どんぶらこ、大きな桃が流れてきます。おばあさんはおじいさんと仲良く食べようと、大きな桃を持って帰りました」

 絵本のページめくられる。母の腕に抱きすくめられて、私はその話に夢中になる。

「わんわんわん。わんわんわん。桃太郎さん、桃太郎さん。お腰につけたキビ団子、一つ私にくださいな。良いとも、一緒に鬼退治に行こう。桃太郎は犬をお供に旅を続けます」

 母は幼い私にも分かるようにと、ゆっくりと絵本を読んでくれる。けれども所詮は絵の本、短い話はすぐに終わってしまう。桃太郎は大好きな絵本だったけれど、お話の最後だけはどうしても好きになれなかった。

「───こうして、三匹の仲間と共に悪い鬼を退治した桃太郎は、おじいさんとおばあさんと幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし……」

 物語が終わり、絵本の厚い表紙が閉じられる。

「かわいそう……」

 ふと漏らした感想に、母は柔らかな怪訝を浮かべた。

「オニさんいじめちゃイヤだよ。みんな仲良くしようよ……」

「……。哀は優しいわね」

 そう言うと、母は頭をなでてくれた。幸せだった。



『───……けれど、六歳になったある日……』



 家に見知らぬ老人が現れた。恐ろしく冷酷な眼をした老人は、夜中まで母と話をしていた。幼く、未だ記憶をもたない私は、何が起こっているのか見当も付かなかった。

 せっかくの誕生日なのに祝ってくれない母に拗ねていた。

 母は泣いていた。母を泣かす老人をひどく憎んだのを憶えている。

 朝になって───母は目を真っ赤に泣(な)きはらして私を抱きしめた。

「ごめんね……哀……ごめんね……」

 なぜ母が謝るのか分からなかった。ただ母が泣いているのが悲しかった。

「お母、さん……?」

「ごめんなさい……哀……」

 とうとう母は泣き崩れてしまった。そして陰翳となって立ち塞がる老人。

「では預からせてもらう」

 母は顔を上げぬまま手を離した。老人は老人らしからぬ強い力でわたしの腕を引いた。

「いや……。お母さんっ、お母さんっ!」

 本能的に母と引き離されることを悟った私は、母に助けを求めた。

「来い」

 老人は短く告げて、乱暴にわたしを連れて行く。

「お母さんっ! お母さん、お母さんっ!」

 手を伸ばしても母に届きはしない。離れて、無慈悲に扉が閉められる。それきり母に会うことは無かった。

 その日、私は一日中泣いた。涙が尽き果てると疲れて眠り、目が覚めるとまた泣いた。

 これから先、泣くことは許されないことを原記憶が知っていたのかも知れない。

 車で半日以上もかかって着いた場所は、山間に位置する大きな武家屋敷だった。荘厳で、立派で、もの悲しい。屋敷以外にはほとんど建物らしい建物もなく、澄んだ湖より立ちこめる霧がより一層その屋敷を孤立させていた。

 老人は無言で車を降りた。靴が砂利を噛む不快な音が耳朶を打つ。飢えた鷹のような老人の眼光に怯えながら私もあとに続いた。

 運転手だけが残った車は去り、老人は私を屋敷へと招いた。

 瓦を葺いた大きな門を抜けると、屋敷に奉公する使用人たちが深々と頭を下げていた。

 およそ三十人ほどの使用人たちの中には老若男女がそろっていたが、みな総じて生気というものがなく。まるで亡霊が居並んでいるようだった。

 主の帰りを待っていた使用人たちに老人が何かを告げると、彼らの様子がにわかに色めきだった。

「───。ではこの娘が五十八代目の───」

「二代続けて分家である齋家(いつきけ)からお役目が生まれるとは、何とも縁深い───」

「───たや。これで我らの業も報われる───」

「しかし些か年を経てはおりませぬか、技能・精神面でやはり見劣りが───」

「先代に比ぶれば遅すぎると言うことはない。錬成は明日より始める。全ては我らの手管に掛かっている事を忘るるな。浄拭済みの欄楯と金剛杵、戒壇石を用意しておけ───」

 彼らが何を話しているのか分からなかった。けれど半ば熱に浮かされた彼らの目は蟻走感をともなう恐怖となって私を刺した。

 老人の命(めい)を受け、使用人たちが各々(おのおの)の仕事に戻っていく。

 私はかじかんだ手に息を吐きかけて、老人が声を掛けてくれるのを待っていた。

 けれど、老人は振り向きもせずに歩いていく。頼る者のない私はそれを追うしかなかった。

 夏も近いというのに、この地は息がこごるほどに寒い。屋敷に足を踏み入れると外よりもさらに気温が下がっている。それが法術による浄化儀式の影響と知ったのは少し後の事だ。

 延々と続く長い廊下を、老人について歩く。

「貴様、名は?」

 連れてこられて以来、老人が話しかけてきたのはこれが初めてだった。

「い、伊月哀(いつきかな)……。六さい、です……」

「その名は捨てろ」

 無感情に老人は言った。

「貴様は今日より海神の姓を名告れ。名は元より必要ない」

 私は老人の顔も見られないまま首を横に振った。それが精一杯の拒絶だった。

 老人は何か汚いものでも見るかのような目で睨(ね)めつけてきた後、無造作に長寸の布袋をよこしてきた。

「貴様の刀だ。六年間我々が保管しておいた」

 おずおずと差し出した両手に布袋が乗る。しかしあまりの重さに姿勢をくずし、抱えることもできずに取り落としてしまった。

 重い音を立てて布袋が廊下に転がる。

「取れ。それは貴様の刀だ」

「……っ……ぐす……わかんない……。おうち……おうちに帰して……」

 麻痺していた恐怖と寂しさがじわじわと蘇ってくる。みじめで、悔しい。

 ───怖いよ……。帰りたい。助けて。お母さん……!

 助けを求める声は嗚咽にしかならず、誰にも届かない。

「いずれ記憶も取り戻せよう。その日まで貴様を鍛え抜く。精錬し、研磨し、一本の名刀に仕上げてやろう。“鬼遣”よ」

 もはや逃げることもかなわない。その日からありとあらゆる戦闘技術を叩きこまれた。

 殺し尽くすという一点において特化された訓練は想像を絶した。



『───……初めて鬼を殺したのは九つになったときだった』



 京平に語る幼女の服装が変わる。背が伸び、髪は短く刈られ、何よりも眼が変わった。

 虚ろな双眸には、もう何も残っていなかった。

『───……相手は民間伝承にすら残らない無名の鬼』

 足を切り落として動けなくした後、命乞いする鬼を刺して殺した。

 腹と言わず、胸と言わず、頭と言わず、鬼が完全に息絶えるまで、何度も、何度も、突き刺した。

 なんの感慨も感じなかった。もう立派な“鬼遣”だった。

「良くやった鬼遣。おおかたの記憶も戻ったようだ」

「……はい」

「では、倉に戻れ」

「……はい」

 血を払って納刀した刀を佩き、自分の保管場所へと戻る。

 浄化された屋敷の空気は冷たく、訓練された歩法はその冷気を揺らしもしない。技能・咒力は共に完成へと近付いていた。

 屋敷へ連れてこられたときに感じていた苦痛などとうに麻痺した。もう寒さに震えることも、恐怖にむせぶこともなくなった。

 永久(とこしえ)に凍った屋敷にも慣れた。心身を削る修行にも慣れた。怖いのなら感情を捨ててしまえばいい。つらいのなら心を閉ざしてしまえばいい。過去の“私”もみんなそうしてきた。

 自分を消して、鬼を殺す一本の刀になればいい。

 倉に帰れば、鼻孔を突く黴(かび)の匂い。そして封鎖された地に棲む自分にとっての、ただ一人のトモダチが待っていた。

 重厚な鉄扉が大音をほめかせて閉まる。

 咒力を乗せた視線で燭台に火を灯し、佩いていた刀を鞘から抜く。

 鎬造りのこの刀は、相模国(さがみのくに)の名のある刀匠が打ち鍛えた名刀だ。

 それでさえ鬼との戦闘には耐えられない。たった一度穢(けが)れた骨肉を斬っただけで、刀は錆び朽ちていた。

 だが、この倉に祀られる神剣は違う。鬼を千匹殺そうとも、その刀身は闕(か)けも曇りもしない。斬れば斬るほど敵の血を吸ってなお力を増していく。

 鬼を殺すためだけに造られた、名も無き“鬼遣”と同じ、銘も無き“神剣”。

 だからこの刀は、トモダチ。この刀だけが、トモダチ。

 背伸びして、神棚に祀られた刀架から神剣を降ろす。

 幾重(いくえ)にも渡って神符や呪繃を巻き付けられ、厳重に封印されているはずのその刀は、手に取るのが友人とわかれば、何ら問題なくその腕に収まった。

 柄に手を掛けると、鯉口を切るまでもなく刀は追従する。

「…………」

 鞘から引き抜いた刀身は緋く、膩で虹む刃は血で描いたように斑。神剣と呼ぶには、その色合いはあまりにも禍々しい。

 幾千夜に鬼の血を吸い続けた刀は、外気に触れた悦びに打ち震え、獲物を求めて友人をせかしだした。軋めいた声で、囀るように。

 ───血を浴びたくはない? 脊髄をを叩き割りたくは? 臓腑を掻き回すのはたまらなく気持ちがいいよ?

 さあ、喰らおうよ、奴らの恐怖を。

 さあ、刻みつけてやろうよ、奴らに恐怖を。

 血を寄こせ。肉を斬らせろ。差し出せ、鬼共を。

 獲物を! 餌を! 玩具を! 敵を! 戦場を!

寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄 こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄 こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄 こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄 こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄 こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ寄こせ





















































 ──────無音。







































 何も聞こえなくなった。

 音が、世界から消えた。

 吹きすさぶ荒風も、静かに朽(く)ちていく倉の軋みも、呼びかけてくる神剣の誘惑も。

 何もかもが消えて───

 全身が脱力する。膝が折れてへたり込む。もはや柄をにぎる力もない。けれど刀は手から離れようとしない。

「………お母さんの顔、もう思い出せない……」

 無音。

「お父さんの声、どんなだったのかな……」

 無音。

「私が鬼遣だから、会えないのかな……。鬼を殺すから、悪い子だから、お母さんもお父さんも迎えに来てくれないのかな……」

 涙さえ浮かばない目に映るのは、緋い刃に照り返った虚ろな子供の姿。

 その鏡像を見てもぴんと来ない。本当に自分はこんな顔をしていたのだろうか。

 そんなことすら分からないから、お父さんやお母さんのことも思い出せないんだ。

 故郷の景色も、家の匂いも、寝る前に聞いた子守歌も。

「もう何も思い出せない……」

 ……………無音。

「……………」

 かつては重くてしかたがなかった刀は、今は羽の軽さで手に収まっている。

 それはとても魅力的なものに思えた。

 音無き世界で、いまだ神剣は叫んでいる。血を寄こせと。肉を寄こせと。

「そんなに……欲しい……?」

 神剣は嗤った。神の剣とは思えぬその光彩(いろ)で。

「そう……。なら、あげる……」

 恐怖などなかった。失うものは何もないから。もう失ってしまったから。

 首に触れる刃の感触は、思ったほど冷たくはなかった。

 静かに目を閉じる。

 もっと早くこうすれば良かった。せめて次は子を愛さない親の元に生まれ変わることを願って、刃に力を込める。

 しぶいた血が蝋燭にかかり、焦げた音を立てて弱い灯りも消えた。

 薄闇の中、拡がっていく血のぬくもりだけが、この冷たい虚無の下で確かに暖かかった。







Title

Back         Next